みなさんが思い描く「家族のカタチ」とはどんなものでしょうか?
きっとそれぞれが思い描く、まったく違った家族のカタチがあることだと思います。
でも、いったいどれだけの人が思い描いた家族のカタチを叶えることができているでしょうか。
とりわけ、「理想の子どもの人数」という観点で見ると、いっそうその疑問は膨らみます。

胸の内で抱いていたはずの「家族のカタチ」や「理想の子どもの人数」を、やむを得ない理由から断念している人が少なくないようなのです。
そこで私たちは、2人以上子どもを育てている家庭の特徴や出産・育児、生活の考え方をよく調べてみることにしました。

これから、私たちが調べたそれぞれの「家族のカタチ」について、シリーズでご紹介していきます。
第1回目となる今回ご紹介するのは、「行動派ママを支えるやさしさいっぱいの長男」について。

すべての夫婦が望んだタイミングで子どもを授かるとは限らない……というのは、まぎれもない現実です。もしかすると、赤ちゃんは家族の思いにかかわらず、気まぐれに生まれるものなのかもしれません。不妊治療を経験した夫婦に生まれた待望の子どもと、その周辺のお話です。

待望の第1子を通じて広がったママ友の輪

吉田家は妻の直子さん(仮名・42歳)、夫(42 歳)、長男(4歳)、長女(0歳)の4人家族。直子さんは専業主婦、夫は会社員として働いています。
一戸建ての家の隣には、夫の実家があり、夫の両親が暮らしています。

「もともとここは庭だったんですけど、『隣に引っ越してこないか』と言われて。じいちゃんばあちゃんの近くで子どもを育てるのもいいかなと思ったんです」

直子さん夫婦は結婚してから4年間、なかなか子どもを授かることができませんでした。
「高齢出産になるということもあって、不妊治療はひと通り経験しました。当時は会社員として働いていましたので、あまり周りに相談することもできません。
『ちょっと病院に……』と言葉を濁しながら、仕事の合間に通院していました」。
思うような結果が得られず、ついには先生に「少し休もうか」と言われた矢先、授かったのが長男だったといいます。

「よくそういうエピソードを聞きますけど、『どうせウソでしょ』と思ってたんですよ。でもそのまさか、でした」。
もともと社交的な直子さんは、長男とベビーマッサージやベビースイミングなどさまざまな教室に足を運び、そこで出会ったママ友たちと交流を深めていきました。

長男からもらった思いがけない手紙

長男が言葉を話すようになると、行動範囲はさらに広がっていきました。
味噌づくりのワークショップに稲刈り体験……。「食に興味があるのでそういうところに行くと、価値観を共有できる人が多いんです。家族ぐるみで旅行に行くほど仲の良い友人もできました」。

一方、長男は年のわりに落ち着いた性格。
「久々に予定のない日があると『たまには家でゆっくりしよう』なんて言うんですよ」と直子さんは笑います。

「長男に寂しい思いをさせたくない」と、2人目もほしかったという直子さん夫婦。
4つ違いで待望の長女が誕生します。

「産後の慌ただしいときに実姉に長男を預けていたんですが、まだ文字も書けないのに代筆を頼んで、手紙を書いてくれたんです。
『ママ大丈夫? ぼくは大丈夫だよ』って。
長男なりに心配してくれていたんだと号泣してしまいました」

兄としてかいがいしく妹を世話する長男。湯上がりに必ずガーゼを持ってきたり、オムツを補充したり、あやしたりと大活躍なのだそう。
「だから夫には『娘より息子を優先してあげてね』って言うんです。いつも頑張ってばかりだから」。
そのためいつもはクールな長男も、夫には甘えん坊の顔を見せるのだとか。

「夫からは『回遊魚みたいなものだから、じっとしてられないんだろ』と言われてます。
今はまだ娘も小さいのでしばらくおあずけですが、また友人家族とみんなで旅行に行きたいですね」

発行:株式会社プレジデント社

『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか?』
ママ・パパ1045人に聞いた本当のコト

発行: 株式会社プレジデント社
著者: 秋山 開(公益財団法人1more Baby 応援団)
三輪慎一郎
藤平達之
定価:本体1,350円+税

書籍の詳細を見る