不妊治療における「タイミング法」の3つのポイント
齊藤英和
2020年06月26日
さて、今回は不妊診療における基本中の基本、「タイミング法」についてお話ししましょう。
私たちは不妊で悩んでいる患者さんに対し、妊娠を目的として、排卵日に『「タイミング」を取ってください。』とお話しすることがよくあります。
「本日、セックスしてください。」とか、「本日、性交してください。」と表現するのは、不妊専門医の私でも、ちょっと気兼ねしてしまいます。
ですので、外国でよく用いられている「timed sexual intercourse」とか、「scheduled sexual intercourse」との表現を利用して、通常の不妊診療時には『「タイミング」を取ってください。』と伝えています。
助成先団体のご紹介⑥「NPO法人高槻子育て支援ネットワーク ティピー」
秋山 開
2020年06月26日
2018年度より、私たち公益財団法人1moreBaby応援団は、日本を子育てしやすい社会に変えることを目的とした助成事業を行っています。2019年度も、数多くのお申し込みがありました。外部審査委員会による厳正なる第一次審査、そして公開プレゼンテーションも行った第二次審査を経て、助成させていただく団体を決定いたしました。
今回ご紹介するのは、そのなかの1つである「NPO法人高槻子育て支援ネットワーク ティピー」です。名前のとおり、大阪府高槻市で子育て支援事業を行うティピーは、「民間団体における切れ目ない子育て支援モデル事業」を推進するため、本事業に応募してくださいました。どんな思いをもって活動を始め、どういった活動をしてきたのか、さらに今後の取り組みについて、発起人であり代表も務める石井さんにお話をうかがいました。
二人目不妊を経験して インタビューvol.7「不妊治療に臨む夫婦の葛藤、乗り越えたきっかけとは!?」
秋山 開
2020年06月17日
今回ご紹介するのは、上田真之介さん(仮名・36歳)と上田麻実さん(仮名・32歳)夫婦です。3年前に授かり婚をした上田さん夫婦は、およそ1年前から“二人目”を考えました。妊活を始めて早々に不妊治療を始めた麻実さん。半年ほどタイミング法を試みた後に、現在は人工授精を試みているのだとか。麻実さんが不妊治療に臨むことにしたきっかけは何だったのでしょうか。
不育症~その原因と治療法について~
齊藤英和
2020年06月02日
妊娠しても妊娠経過途中で流産されると、とても大きな心的ストレスを受けます。このことが何回も重なると、その心労はさらに大きくなります。
日本産科婦人科学会の産科婦人科用語集では、習慣流産(recurrent miscarriage )を3回以上連続する流産、すなわち不育症(recurrent pregnancy loss; RPL )を、妊娠は成立するが流死産を繰り返して生児を得られない状態と定義しています。
また、最近の報告では早期新生児死亡を含め、生児を得られない状態とする報告もあります。一方、欧州ヒト生殖医学会、米国生殖医学会、WHOは、不育症(RPL)を2回以上の流死産と定義しており、国によっても少しずつ定義が異なります。