二人目不妊とは?

二人目不妊は、医学的には「続発不妊」といい、過去に妊娠、分娩した経験のある婦人が、その後妊娠しない状態となった場合と定義します。一度も妊娠の経験のない不妊が「原発不妊」です。

もともと、「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、性生活を行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合」を不妊と定義しています。現在では一定期間を1年としていますが、どれだけの期間様子をみるかはもちろん年齢によります。

「生殖年齢の男女が」と言っても、実は「生殖年齢」は学術的に定義されていません。卵子の老化はもちろん年齢によりますが、卵巣に残っている卵子の数の目安である卵巣予備能は年齢とは相関しません。いつ卵子がなくなるかは個人差しかないので生殖年齢は個人により違い、定義できないと私は理解しています。

二人目不妊の現状

世界的には、20歳から44歳の統計で原発不妊は2%、続発不妊は10%~35%にみられ、続発不妊の方が多く、特に発展途上国では性感染症がその原因となっていると報告されています。

当院では採卵症例の8.3%、移植症例の7.4%が続発不妊でした。移植症例当たりの妊娠率は、もちろん年齢差は大きいのですが、全体で原発不妊76.8%に対して、続発不妊は69.6%とやや低くなっていました。

自然妊娠するには二人目は不利?

一人目が妊娠・出産できているので、そのうちできるだろうと思っていると、なかなか妊娠できない方は多くみえます。

一般的に自然妊娠するには二人目は不利な条件になります。二人目不妊では分娩後ならどのご夫婦も、子育てに手がかかり、ご夫婦自体何年か年を取ります。当然、新婚当初とは違い、性交回数は減ります。また一人目の帝王切開等の手術の影響も考えられます。

子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内炎症等の疾患も少しずつ年齢とともに悪化している可能性もあります。当然、加齢による卵子の老化や卵子の減少の影響も徐々に現れます。女性が実際妊娠できる能力、すなわち妊孕性は大体5年経てば半分くらいになると思われます。

男性の精子濃度と運動率について

一方、男性側で言えば、新婚当初に比べ、性的欲求も弱くなり、子育ての影響で実質的に性交回数も少なくなります。
短期間に精子の所見が悪くなることは考えられませんが、もともと精液所見の変化は大きいものです。

一般的に、精子濃度も運動率も、何もしていなくても、同じ人で4~5倍、時には10倍変化してもおかしくありません。精液検査はほかの検査結果と違い、いつでも同じような結果が出るというものでもありません。例えば、一人目はたまたま運よく精子所見の良いときに簡単に妊娠したものの、実は平均的に精液所見が悪く二人目でなかなか妊娠できない患者さんもみえます。

二人目不妊で大切なこと

二人目不妊で難しいのはステップアップのタイミングです。
一度妊娠できたからということでだらだらタイミング療法を続けたり、何回も人工授精を続けたりしがちになります。

しかし、大切なことは何歳までに二人目が欲しいのか、どういう家族構成にしたいのかです。過去に妊娠できたということにこだわって、結果的に大切な時間を浪費し、家族を作る機会を失ったのでは元も子もありません。不妊治療は手段であって目的ではありません。何年やったから偉いということでもありません。むしろ結果の出ない不妊治療を漫然と続けることぐらい無意味なことはありません。

不妊治療の現状について

不妊治療は近年急速に発展してきました。それぞれのドクター、医療機関でいろいろな不妊治療をそれぞれ独自にやってきました。不妊治療についてのスタンダード、ガイドラインは我が国にはありません。言わば、流派が混在し、玉石混交状態です。

従って、どんな治療をするかよりも、どこでやるかの方が大切な要素となります。専門の医師選び、医療機関選びで結果は大きく異なります。大切な「人生設計・家族構成計画」を託すという考えで医療機関選びを慎重にしてください。そして、結果を早く出して、計画的に自分が願う家族構成を実現し、幸せを手にしてください。